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一九九三年のコレクション

ゴルチエは、一九九三年のコレクションで、モデルにハシッド派(ユダヤ教の中でも特に敬虔とされる一派)のユダヤ教徒よろしくスパンコールで飾ったヤムルカ(ユダヤ男性が被る縁なし帽)を被らせ、黒いローブを着せたことに対して、謝罪の意を表した。その翌年には、シャネルのカール・ラガーフェルドがイスラム社会に対する謝罪文を出した。クラウディア・シファーに、右胸にアラーと縫い取りをしたタイトなローカットのボディスを着せて歩かせたためだ。彼は、コレクションのドレスの実物のみならず、写真やネガに至るまで破棄すると約束している。さらに一九九七年には、アラビア語のアラーという文字に似た、炎のようなロゴのついたシューズ三万八〇〇〇足をナイキがリコール。宗教に対する感受性を磨く訓練をデザイナーたちに受けさせると誓って、一歩進んだ謝罪を行い、全国のイスラム・センターに運動場を造るプロジェクトのスポンサーになると述べた。キリスト教とその他の宗教で、こうも態度が違うのはなぜなのだろうか?大方の場合は、誰がその商品を作ったかということに行き着く。ユダヤ人デザイナーがシャツにトーラー(ユダヤ教の律法)の一節をプリントしても、プロテスタントが同じことを行った場合のような騒ぎにはならないだろう。自分の信仰する宗教について扇情的なことをした場合はアートと考えてもらえるが、他人の宗教について感情をかき乱すようなことをしたら、喧嘩を売っているととられかねない。