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モデルの格好よさとは……

装いについてあまり関心がないか、話したがらない人は、口癖のように「私は格好よくないから(お洒落には興味がない)」という。本当に、自分は格好悪いと思っている人は、ぜひこれから説明する内容を読んでほしいと思う。一格好いい、格好悪いというのは主観的なことなので、世の中のすべての人が認める理想為というのは、本当は存在しないはずなのだ。しかしファッションモデルは、身長も一八三センチくらいあり、脚も長く、もちろん顔も小さくハンサムで、おまけに職業柄、体を鍛えているからシェイプアップされていて、多くの人の憧れの的になっている現実もある。人は、自分とモデルを比較して「自分は全然ダメだ」と意気消沈してしまうのである。本書でも「格好いい」という言葉を再三使用してきたが、ここでその意味をあらためて明らかにしていきたい。まず、モデルの格好よさについていうと、モデルという職業は服を魅力的に見せるために存在している。雑誌のファッションページやファッションブランドのショーなどでは、これ以上ないというほど決まっていて、本当にあんな姿になれたら人生変わるだろうな、と私も間近で見ていて思う。しかし、それは陥りがちな勘違い。モデルの格好よさというのは、職業的なものだ。どういうことかというと、板前が客を前にして見事に鯛の松皮造りをつくっている姿、大工が額に汗しながら木材にカンナをかけている姿、あるいはデスクワークの男性がPCの画面を睨みながらキーボードをなめらかに操作している姿、これらはみんな格好いい。仕事に打ち込んでいる姿は誰でも素敵なのだ。モデルも同じ。自分の舞台で仕事に邁進している姿を見せているからこそ、魅力的なのである。では、日常のモデルはどうなのか、ということになる。確かに、モデルの容姿は普段でも少しも損なわれるわけではない。とはいうものの、撮影で多数のモデルと接した経験を踏まえると、見た目の格好よさだけではなにか物足りない感じになることがある。彼らは顔や体型がいい分、ハンディキャップを背負っている。見た目以上に、中身もずば抜けてすぐれていないと、中身が平均以上であってもどうしてだが見劣りしてしまうのだ。これはたぶんに私のやっかみが作用しているのかもしれないが、外見に恵まれていない人間の正直な感想だ。

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